レスイズモアな生活

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企画や仕事では、余分なものをできるだけ減らし、シンプルにすることが重要だ。余計な作業をそぎ落とせば、その分だけ成果の強度は高まっていく。そして、それは、文章でも同じだ。コピーライティングなら尚更だ。情報量は少ないほどよい。短いコピーは力を持つ。20世紀のドイツ人建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが言ったと言われる「Less is More(少ないことは豊かである)」は本質を突いている。もちろん、この方の建築はとても素晴らしい。

さて。最近は「断酒」と「買わない生活」を実践している。本や服を一切買わず、お酒も飲まない。1ヵ月続けてみると、当然お金や時間が増える。しかしそれ以上に、飲み屋に行こうか、本や服を買おうかと迷う場面自体がなくなったことが面白い。もちろん、少し気に入ったTシャツを見かけて「買おうかな」と瞬間思うこともある。だが「今は買わない」というルールのおかげで、悩んでる自分を。おいおいルール違反だぞ、と窘める。「本当に必要なら年明け必要なら買えばいい」と悩む時間ごと切り捨てられる。このサイズはなかなか見つからない、という囁きには「だったら買わなければいい」と切り捨てる。

こうしたルールによって、生活そのものがシンプルになっているのだ。加えて、食事も1日1回と決めているので、何を食べるか迷うのは一度きり。食後に血糖値スパイクで眠くなるのは難点だが、それも含めてシンプルになっている。

もっというと、今ある本や服もどんどん売ったり捨てたりしている。手元にあるものも少なくなってきてるのだ。そうすると面白いことに、その1つ1つの服が大切になるし、本はしっかり読むようになる。気がついてみたら、全く読んでない本がたくさんあるではないか?!と。そうなのだ。限られた時間、限られたお金、限られた意志力。それを、どこに投下するかで人生は決まる。「レスイズモアな生活」を意識することは、驚くほど面白く、豊かな実験になっている。

この記事を書いたのは

鈴木 康孝
シックスワン株式会社。マーケティング&プロモーション領域担当。クリエイティブとかアイデアとか好き。尊敬する人、村上春樹さんと永井均先生と佐藤雅彦先生。今年の目標は、プログラムと英語をちゃんとやること。サウナと交互浴が大好き。
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