ネットサービスのブランドは、なぜ鮮度を保つのが難しいのか

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ネット業界の栄枯盛衰は本当にすごい。

圧倒的に強かったブランドがそうでもなくなったり、急に強くなるブランドがいて、この変化は本当にすごいなというものがある。今日の強いブランドは明日の強いブランドを約束しない。ブランドというのは一度作られたらそのまま保持・維持されるものだと思うのだが、この業界においてはそんなことはないのだ。

あまりにも変化が早い。この中で一瞬でも気を抜いたりするだけで変化もするし、そもそもそうしたことではなく、めちゃくちゃ努力をしていても、大きな変化の波にさらわれて、あっという間に維持していたポジションを変えることもある。

資産もブランドも強い大手企業とスタートアップの戦いは、もちろんスタートアップが不利に思われる。しかし、改めて思うと、最近はそうではなく、スタートアップの方が優位であるということも多いのではないかと思う。ブランドとしての知名度は高くなっているが、その内容やワクワク感はもうないというブランドも多い。そのブランドが立ち上がる時にもっていたオーラや勢いを知るものからするとそれは少し寂しい。これも老人のつぶやきなのかもしれないが。

では、なぜ、そんな変化が起きてしまうのか。それは、この世界、強みがずっと強みであることが稀だからではないだろうか。大手企業でにブランドを持っている企業が持つ「過去の成功体験」。それが、成功体験を持っているが故に、新しいこと・変化に対応できないという縛りになったりすることも多いだろう。一度成功したことにこだわり、その成功要因がもう変わっているにもかかわらず、そこにすがるようなことも多い。

その一方、挑戦者たるスタートアップが持つ強みは、依然、強みとして成立しうるのではないか。スタートアップは何も持っていない。「この事業で世界を変え」るといった、野心と、何も持っていないがゆえに「失うものがない」ことから来る、変化に対応する強さ。そして、そこでしか勝負しないというその事業に特化することの覚悟と強みが、彼らの本当の優位性だ。スピードの速さはもちろんだ。逆に言えば、こうしたものを持っていないスタートアップは、できたばかりの企業だとしても、それはスタートアップではないのかもしれない。

最近のAIにおける業界のゲームチェンジを見るにつけ、おそらく数年後、各業界、各サービスレイヤーでトップにいるプレイヤーの顔ぶれは変わっているのではないかとすら思う。どんなプレイヤーでも、そのトップに踊り出る可能性だってあるだろう。変化に対応することだけが生き残るためのすべてであり、変化への対応というのをメインで行える企業だけが、次のトップブランドに成長することができるのだろうと思う。

もちろんそれは、ユーザーの支持、ユーザーに対する理解を必要とするのだが、そうしたことに向き合う人々が、きっとこれからも大きく変わっていくだろう。私もその中の一人として変化していく必要が本当にあるな、とここ数日は特に強く感じている。

この記事を書いたのは

鈴木 康孝
シックスワン株式会社。マーケティング&プロモーション領域担当。クリエイティブとかアイデアとか好き。尊敬する人、村上春樹さんと永井均先生と佐藤雅彦先生。今年の目標は、プログラムと英語をちゃんとやること。サウナと交互浴が大好き。
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