消える物欲

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物を買わないと決めてから、かれこれ2ヶ月ほどが経とうとしている。実際、仕事に必要なものや生活に必要なものを除けば、ほとんど何も買っていない。驚いているのは、「物を買っていない」ことそのものよりも、「物欲がなくなった」という感覚のほうだ。むしろ、いらないものを断捨離して物が減っていくことに快感を覚えている。

服だって、そんなに擦り切れたり破れたりしない。だから、クローゼットをよく見てみると、「下着は別にしても、5年くらいこれ、服買う必要なくない?」と思うほどの服がある。組み合わせの問題から、服は増えれば増えるほど組み合わせの悩みが増える。なので、服は少なくしたいくらいだ。本棚を見れば、まだ読んでいない本があまりにも多いことに愕然とする。DVDも同じで、観ていないものが山のようにある。「これを全部観ようとしたら、どれだけ時間がかかるのだろう」と思う。

今って、マーケティングでいったら、「新規より既存の方に価値がある」と気づいたような状態。つまり、新しいものを手に入れるより、すでに持っているものを活かす方がはるかに価値があると感じている。

さて。この変化の一因として、ブラウザを変えたことで広告が出なくなったことが大きい。日常から広告が消えるというのは、思っていた以上に大きな変化だ。テレビをまったく見ない私にとって、広告との接点はほぼウェブだけだった。そのウェブ広告(リマーケティングやリスティングなど)がなくなったことで、物欲を刺激される機会が圧倒的に減った。 「必要は捏造される」とよく言われるが、広告がいかに自分の物欲に影響していたかを改めて実感した。もちろん、広告を否定するつもりはない。広告は社会にとって必要なものだ。ただ、自分がいかに無意識のうちに広告の影響を受けていたのかがよくわかった。

物を買わないと決めてしばらく経つ。これはとても良い経験だ。物欲がなくなったというより、自分にとって本当に必要なものは何かを考える良いきっかけになっている。「足るを知る」ではないが、今、自分に何が必要なのかを深く見つめ直す時間になっている。

この記事を書いたのは

鈴木 康孝
シックスワン株式会社。マーケティング&プロモーション領域担当。クリエイティブとかアイデアとか好き。尊敬する人、村上春樹さんと永井均先生と佐藤雅彦先生。今年の目標は、プログラムと英語をちゃんとやること。サウナと交互浴が大好き。
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