澤田智洋さんという、うちの福田と一文字違いのコピーライターの方がいる。元電通で「ゆるスポーツ」といったコンセプト開発をされ、私の大好きな『ダークナイト ライジング』のコピーも手がけている方だ。
今回『人生にコンセプトを』という本を出版された。書名の響きの良さと、ご本人の名前へのシンパシーから読んでみたが、とても面白かった。
コンセプトは「道」
「コンセプト」という言葉は非常に取り扱いの難しい言葉である。マーケティングなどと似て、なかなか掴みづらい。コンセプトではないものはわかるが、コンセプトとは何かと問われると定義しにくい。
本書ではコンセプトを「道」と定義している。夢は「向かっていく場所」、コンセプトは「立ち戻れる場所」。つまり「夢は目的地、コンセプトは道」という整理だ。
なるほど、腑に落ちる。
複数の道を持つ意義
夢とコンセプト。夢がゴールであり、コンセプトはそこに至るための道。道は1本でなくてよい。むしろ複数あったほうが、さまざまな歩み方が可能になる。
さらに本書では、コンセプトの意義を次のようにまとめている。
- 迷わないため
- ぶれないため
- 勇気をもらうため
確かに人生は迷うし、ぶれるし、勇気を試されることばかりだ。
人生に一本筋を通す
AIの進化で、誰もが文章を書いたりアプリを作ったりできるようになった。
企画や開発に携わる一部の人だけが使っていた「コンセプト」という武器を、誰もが持てる時代になってきた。仕事で「コンセプト」を扱うのは難しいが、自分の人生に一本筋の通った「コンセプト」を持つことは、とても有効だと思う。
その意味で『人生にコンセプトを』という書名が決まった時点で、この本はすでに勝っているとも言える。
さて。自分の「コンセプト」とは何か。
深く重要な問いである。
この記事を書いたのは
- 鈴木 康孝
- シックスワン株式会社。マーケティング&プロモーション領域担当。クリエイティブとかアイデアとか好き。尊敬する人、村上春樹さんと永井均先生と佐藤雅彦先生。今年の目標は、プログラムと英語をちゃんとやること。サウナと交互浴が大好き。
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