新入社員の時期ですね
新しい期が始まるこの時期になると、新入社員や新しいスタッフが入った際に、様々な教育をしていたことを思い出します。
その中のテーマの一つとして「論理的思考」に関して教えることがあったのですが、季節的にいい機会なので改めて論理的思考と言うものを整理したいと思います。
論理的思考の反対の存在
論理的思考を議論するときに、すぐクリティカルシンキングであったりとかロジックツリーであったりといった専門用語が出てきがちになりますが、実際のところそれらは本質的な理解にすぐつながるものではありません。
改めてですが、論理的思考と言うものを考えていきたいのですが、まず「論理的思考の対極にあるものは何か」それをまずは考えてみたいと思います。
論理的思考と言うものが、様々な論理を組み立てて結論を導き出すものとするならば、その対極にあるものは、「直感に基づいて判断する」ということです。
論理的思考と言うものを礼賛する人は、「直感的な判断を劣っている」と考えがちですが、実際のところそのようなものではありません。
直感的判断の優位性
そもそも直感と言うのは、適当に考えるものではなく、脳の中で様々な情報が判断され、瞬時に回答が導き出される状況です。
例えば父親や母親が「子供のちょっとした違和感」で体調の不良を発見するように、それは私たちが自覚することなく「様々な情報から脳が自動的に選択肢を導き出す」そういった状況です。
AIのディープラーニングに近いようなものが脳の中で行われてそれが直感であると考えています。
一般的な動物は当然ですが直感で判断しているのであり、その直感が優れた動物が生き残って進化してきたはずです。当然ですが私たちの直感も信頼ができるはずですし、役立つものです。
論理的思考が必要な理由
直感と言うものがそれほど優れているのであるならば、私たちに論理的思考が必要な理由は、どのようなものなのでしょうか
先程の動物の例にまた戻るのですが、おそらく生存が脅かされる・生命の危機の回避を重視する個体が生き残ったからだと思うのですが、私たちは何かを考える時に「危険や損失であったりを強く回避したがる傾向」があります。
これはいわゆる行動経済学と呼ばれる分野になるのですが、人間はリスクであったり、損失を被る判断をする場合に、最適な判断ができない場合があります。
直感の判断は大きな成果が得られるのですが、「直感的判断では誤った選択をしがち」の一部の領域において、私たちは論理的思考と言う新しい武器の力を借りる必要がでてくるのです。
論理的思考と言うものが直感に対して優れているわけでも劣っているわけでもなく、ただその使い分けが存在するということです。
改めて論理的思考とは
やっと論理的思考に話が進むのですが、では「論理的思考と言うものが何なのか」といえば、「その選択肢を選んだ理由が明確であり納得性がある」と言うことです。
本人が理解できていなくても「直感的な判断」ができる一方で、論理的思考の場合はその選択理由が明確で正しくある必要があります。
例えば、70代の老夫婦が旅行に行くとします、どこに旅行に行くべきなのか様々な選択肢があります。
ご夫婦の体調であったり、思い出の場所であったり、予算であったり、宿泊施設であったり、宿泊施設の周辺の環境であったり、様々なものがあると思います
それぞれの選択肢をどのように選択するのか。その選択の理由を明確に説明し、第三者が納得し得るこの状況が「論理的な思考ができている」と考えることができます。
直感を補完する論理的思考
論理的思考と言うものは「直感」では正しく判断できないものに対して、論理を積み上げて正しい判断を導きだします。
その導き出し方として、クリティカルシンキングであったり、様々な方法論がありますが、それは論理的思考の本質ではありません。(大事なテクニックですが)
このテキストが論理的思考の理解に役立つといいなと思ってます。機会あれば、どのように論理的思考の考え方、正しい選択肢の選び方に関して整理したいと考えています!
この記事を書いたのは
- 福田 智洋
- シックスワン株式会社。 ネット系上場企業で、サービス企画の責任者を10年以上経験。独立後も上場企業の新規事業立上げ支援などに関わる。 2018年〜2020年 国立大学にて課題解決に関する講義を担当
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