思ったより大変?構造化面接で困ったこと

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構造化面接とは

構造化面接はGoogleがre:Workというプロジェクトで提唱している面接の方法論です。

Google re:Work
https://rework.withgoogle.com/jp/

具体的には、面接の設問や進行内容、説明する内容を同一にすることで、評価や判断基準のブレなく、統一の指標で応募者の選考ができると言うものです。

面接の課題

質問内容のブレ

Googleが「構造化面接で解決しようと考えている課題」はいくつかあると思うのですが、1番大きいものは「人によって判断基準がバラバラ」ということではないでしょうか。

面接が複数人で行われる場合、ある人はスキルを重視するかもしれませんし、ある人は人間性を重視するかもしれません。

複数人はもちろんですが、実際のところ一人の面接官であっても、その日の気分や相手の見た目等で判断基準が変化するかもしれません。

合格基準のブレ

同一の質問や選考ポイントで判断した場合でも、「合格基準」が常に同一とは限りません。

同じスキルを求める場合でも、ハイレベルなスキルを求める人もいれば、教育に自信がある人であれば、育成視点で判断するかもしれません

改善が行われない

選考項目やその基準が明確に言語化されておらず、そのために「面接というもの自体」が改善を行うものという認識がありません。

面接はある意味密室で行われており、面接の良いところも悪いところも、適切にフィードバックされることがありません。

もし改善が行われた場合でも、個人に依存するものであり、組織としての面接力というものが培われません。

改めて繰り返しになりますが、そこで説明する内容であったり、質問の順番やその内容を言語化・統一化することで、ブラックボックスだった面接というプロセスに光をあて、平準化し改善していく試みが構造化面接です

え、意外と難しい…

実際にやってみて思ったのは以下のことです。

項目を決めるのは難しい

「私たちはいかに適当に面接しているか」ということを現しているのですが、実際に取り組んでみると、何を聞くべきかという選考のポイントを明確にするのも難しかったです。

例えばコミュニケーションスキルって、どのような質問でどのような判断基準で判断するべきかって難しいですよね。私たちは思ったよりも「曖昧な基準」で選考をしているようです。

応募職種ごとに作るのが大変

1つの職種であっても、選考ポイントを決めて、その判断レベルを決めるのは大変でした。

一職種でも大変なわけですからそれを複数募集している場合、その大変さは想像に難くありません。

私たちは小さな組織なので承認プロセスも比較的簡単ですが、中規模から大規模なであればかなり大変な労力がかかりそうです。

一方で本質的に「構造化面接」が必要なのは面接官が複数いる規模の大きい企業であり、なかなか難しいところです。

面接シートの管理が大変

設問をいざ作っても、面接シートを作成して、管理するのは大変でした。

入力してもらって、それを評価したり、集計したりするのは手間だろうな…と

重要性の割りに見過ごされていた存在

改めて思ったことですが、面接と言うものは、本当に重要な存在にも関わらず、それが体系化も言語化もされず、曖昧に行われています。

採用するための費用や、その後の人件費も決して安いものではありません。

「構造化面接は決めることはとても大変」ではありますが、その大変さは大事なことを先送りにしていたという意味に等しく、興味のある企業は今こそ実践されても良いと思いました

構造化面接に有効だった方法

chatgptで雛形を作る

最初からの高い精度を期待しなければ、chatGPTに質問して、選考のポイントとその判断レベルの雛形を作らせるのは非常に有効な方法でした

例え10職種の面接の質問を作成する場合でも、共通した雛形から作成する形のほうが統一感が出るのではないかなと思います。

管理ツールを利用する

私たちはエンゲージやインディードといった無料で採用できるメディアを効率的に使って採用を行っています。(もちろん一部有料プランも使っていますが…)

複数のメディアの応募者管理が大変なので、簡易な応募者管理ツールを作ってそれで運用しているのですが、そちらに「構造化面接に対応した面接シート」を実装しています。

※ 作成中の画面です

現在は作成中ですが、私たちのATSはその他の企業さんでも使えるように作っているので、試して見たい方はお声がけ頂ければ使えるようになったときに招待させていただきます

まとめ

構造化面接と言うものは、最初は大変ですが、企業の継続的な採用活動には重要なものであり、その投資に見合う成果はあるのではないかと思います。

良い人材の採用は企業にとってとても大事なことです。大変ではありますが、面接というブラックボックスにメスをいれ、その状況を確認しても良いのではないでしょうか。

この記事を書いたのは

福田 智洋
シックスワン株式会社。 ネット系上場企業で、サービス企画の責任者を10年以上経験。独立後も上場企業の新規事業立上げ支援などに関わる。 2018年〜2020年 国立大学にて課題解決に関する講義を担当
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