リモートワークの理想形とは?──従業員と経営者、それぞれの視点から考える最適解

ChatGPT Image 2025年6月13日 11_15_09


はじめに:リモートワークをめぐる“視点の違い”

リモートワークに関する意見は、従業員サイド経営サイドとで大きく異なる傾向があります。
最近発表されている各種調査結果によれば、従業員にとってのリモートワーク最大の魅力は、やはり「通勤が不要になること」に集約されるようです。

通勤は、仕事の成果に直接的な影響はないものの、1日のうちにかなりの時間と体力を奪う負担をもたらします。通勤がなくなることによって、生活の自由度が高まり、結果としてワークライフバランスの向上に寄与するるのでこの価値は大きいですよね。

一方、経営者の立場から見たとき、「従業員の通勤が不要になる」ことは、もちろん直接的なメリットではありません(通勤コストが下がるとかあるかもですが)。そうではなく、地理的・時間的な制限がなくなることで、採用力が圧倒的に増す点がリモート導入の最大のメリットだと考えます。会社側にとってのリモートワーク最大のメリットは「採用力が大きく上がる」ことにあると言えます。

都市圏に人材が集中しがちな現代において、地方在住者や多様なライフスタイルの人材を広く受け入れられることは、企業の競争力そのものに直結します。もちろん、都市圏に限定しても、リモートを求めるスタッフが採用対象になるという点で採用成果にとても大きな違いがあります。

しかし、リモートワークで採用力が上がって、求める人材の採用がしやすくなったとしても、リモートワークというのは運用が大事です。スタッフは優秀になったのだけれど、スタッフのパフォーマンスは出ないでは、意味がありません。そこで次はリモートワークのメリットデメリットを従業員と経営側の双方の観点からみてみきましょう。


リモートワークのメリット・デメリットを整理する

以下は、従業員側・企業側それぞれの立場から見た、リモートワークのメリットとデメリットを一覧化したものです。

リモートワークの利点と課題(視点別まとめ)

視点メリットデメリット
従業員側・通勤時間・コストの削減
・ワークライフバランスの向上
・働く場所の自由度
・育児や介護など家庭との両立がしやすい
・孤独感・孤立感の増加
・コミュニケーション不足
・自己管理の難しさ
・OJTやキャリア育成の機会減少
企業側・オフィスコストの削減
・地理・時間を問わず採用力が高まる
・業種によっては生産性の向上
・俊敏性の向上
・組織の一体感・文化の希薄化
・マネジメント・評価の難しさ
・セキュリティ上の課題
・若手育成機会の不足


補足:見落とされがちなポイント

      • 従業員側の最大の恩恵は、通勤からの解放と生活の柔軟性。特に子育て中の社員や地方在住者にとっては大きな魅力です。

      • 企業側の主な利点は、コスト削減や全国採用の実現。しかし現実には「カルチャー醸成」や「若手育成」の困難さが、しばしば足かせとなります。

      • 若手社員のオンボーディングや中堅層の評価が不明瞭になりがちな環境では、離職率の上昇というリスクも顕在化します。


    ハイブリッドこそが理想?──リモートワーク最適化への視点

    リモートワークは、業務効率や柔軟性の点では非常に有効ですが、組織マネジメントや文化形成の観点からは慎重な設計が求められます

    具体的には、以下のような課題への対応が重要です:

        • チームビルディングと信頼関係の構築

        • 若手社員の育成支援と成長機会の提供

        • 成果の「見える化」や評価制度の整備

      このような課題をクリアするためには、リモート一辺倒ではなく、「必要なときに対面を戦略的に取り入れる」ハイブリッド型の働き方が、現時点での最適解と言えるでしょう。


      現場での実践:当社の取り組み事例

      当社では、基本的に100%リモートワークを実施していますが、年に数回、スタッフ全員がリアルに集まる会食イベントを開催しています。

      「美味しいものをみんなで食べよう」をコンセプトに、日本全国からスタッフが一堂に会します(もちろん、旅費・宿泊費などはすべて会社負担です)。このような“リアルな接点”を持つことで、リモートでは難しい信頼関係の醸成や、一体感の再確認が可能になります。

      また、すべての業務をオンラインで完結させるのではなく、地理的に近いメンバーが自主的に集まるといった柔軟なスタイルも重要だと思います。


      リモートワークの進化は、これからが本番

      リモートワークは、今後も働き方のスタンダードとして進化していくはずです。ただし、その運用の成否は「設計力」にかかっているとも言えます。

          • 従業員と企業、双方のメリットを最大化し、

          • デメリットは構造的に解消・緩和し、

          • ハイブリッド型での共存と進化を模索する

        そんなバランスの取れた運用こそが、「リモートワークの最適化」につながります。

        もちろん、こうした点以上に、実際にリモートワークでどう業務を設計するのか?という点やリモートワークならではなのワークフローといったテーマもあります。

        シックスワンでは、今後も、実践的な知見や新たなアイデアを共有しながら、よりよい働き方のあり方を模索していきたいと思います。

        この記事を書いたのは

        鈴木 康孝
        シックスワン株式会社。マーケティング&プロモーション領域担当。クリエイティブとかアイデアとか好き。尊敬する人、村上春樹さんと永井均先生と佐藤雅彦先生。今年の目標は、プログラムと英語をちゃんとやること。サウナと交互浴が大好き。
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